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2017-12-16

あの場所


あの雲の、もっと向こうの雲よりも
もっとずっと先のほうにある、ひかりに満ち満ちた世界
すべてのものがここから生まれてきて
時を過ごし、
再びここへと帰ってゆく。
あるとき人は、海の彼方を眺め続けているうちに
そのことに気付いたのだろう。

この絵は、そんな場所からの風景である。

いまから生まれてくるものたちが
自分たちのこれからゆく世界がどんなところか
様子を伺っているかもしれない。
あるいは帰ってゆくものたちが、ふと立ち止まって
振り返り見る風景であるのかもしれない。
おそらくはそれらが同時に無数に
繰り返されているのだろう。
そしてまた、私たちがもう一度逢いたいと想う人、
犬や猫、鳥や花たちがこの場所から
あたたかな眼差しをむけてくれている。

あるとき人は、日々を暮らしてゆくうちに
そう思うようになったのだろう。

絵を描きながら感じたことを当時、散文的にしたためた
その全文を載せてみた。稚拙な部分もあると思うが
作品世界をより理解いただく一助となれば幸いである。

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