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2017-03-29

汽笛

今日は、離任される幼・小中学校の先生方が
島を発つ日であった。

港には見送る方々が集り、色とりどりの紙テープが幾筋も伸び、
泣く人、笑う人、踊ったり手を振ったり、
フェリーのスピーカーからは「だんじゅかりゆし」が流れ、
「蛍の光」が流れ、毎年のことながらこのときだけはなにか
こみあげてくるものを感じる。
そして一番心に響くのが、何度も何度も鳴らされる汽笛の音である。
ゆっくりとうなりをあげて島から離れてゆく
フェリーから、何度も、何度も、汽笛の長い音が
繰り返される。
その音は港じゅう、いや島中に響き渡り、門出を祝うもの
なのか、3年間お疲れ様のありがとうなのか、
とにかく、普段出港時と入港時には長音1回、必ず鳴らされる
ものなのだが、このときだけは、別物のように聞こえる
のだ。それはもはや生き物としての声になっているといえる。

その「声」は、言語というものを超えて、単音でもって、
哀別の情だったり門出の祝福であったり、感謝の気持ちで
あったりのすべてを表現しているのだと思う。
只々、心に響くひとつの音。
気持ちを伝えるのは究極的には、言葉ではないのかもしれない。

 

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