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2017-02-10

冬の風物詩

定期船が欠航していた。
昨日の朝のフェリー一往復ののち(高速船は全便欠航)
船はストップし、島は北風がごうごうと吹き荒れるのみ。
本日の最終便は運航するとの放送あり、そんなわけで
ほぼ2日間、文字通り「孤島」と化したのである。
曇天と冷たい北風、ひっそりとした集落。
当たり前のことだが、日帰りの観光客はゼロである(宿泊者は
数名いたようだったが)。
ひっそりとはしているが、島内はふだんと変わらないリズムの
ようで、いつも通り畑に行く人、犬を散歩する人、商店は普通に
開いているし、ただ船が止まって観光客がいない、というだけで、
考えてみたらこれが本来の島の姿なのだろう。

自身はというと、この静けさに乗じて作業環境の整備にいそしんで
いた。といってもこの雰囲気に影響されほぼ休日モードで、朝寝して
昼ごろがらちょこちょこ何かやる、といった程度のものだが。

久しく定位置の軒下での創作をしていない。理由は・・・
我が家にいる猫である。

これらが台の上に登るわ、絵具はいじるわバケツの水に口をつけよう
とするわではっきり言って作業どころではない。
挙句の果てにイーゼルを豪快に倒すわで、これらの対策
ができない限り、外での作業は無理な状況であった。
同時に、アクリル絵の具一辺倒であった自身の絵も色鉛筆中心になって
きて、おのずと室内の机に向かって作業するようになっていたので、そのまま
室内に引っ込んでこんにちまで来たのだが。

しかしながら、お待たせしている依頼の品々や、新たな仕事等に手をつける
ためには、やはりこの「猫問題」を解決せねばならず、遅ればせながらこの2日間
で着手したのだ。

で、考えた(そんなに考えたわけではないが)結果、絵具箱を吊るすことにした。
それから、イーゼルの足元にフックをつけて紐で建物に固定できるような細工も
施し、これで登ってきても倒れることはないだろう。
ついでに言えば吊るす絵具箱は外して、室内のデスク作業時にも使えるのだ。
このときはサイドテーブルに置いて使用する。

なにより、昨年の2度にわたる展示会ののち、精も根も経済的にも
使い果たして燃え尽きていたように思える。そんなかにあって、やらねばならない
ことは遅々として進まず、気持ちは焦るばかりだが体は億劫で踏ん張りがきかずの
状態が続いていた。その億劫さがどれだけのものか、こんにちまで簡単な猫対策も
取り掛かれなかったということだけでも察してもらうことはできると思う。

今日はもうこれでしまいだ。明日からは定期船は通常通りの運航となるだろう。

 

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