期限の定めの曖昧な展示会の準備を少し進める
展示スペースは2階になるのだが、そこに140センチ×140センチ
の絵が運べるかが要確認であったので、同サイズの仮枠を現場に
持っていってきた。
結局、二か所ある階段どちらもダメ、最終的に建物の外から釣り上げて
窓のサッシを外してそこから搬入することになった。
というわけで予定通りこのサイズの絵を描く。半年後になるかもしれない、
いや、なるだろう、まだ何も手を付けていないのだから。
ともかくも、前回はお試しの意味合いもあったが、今回は
全力でもって臨もうと思う。
いまいちど僕はふりむん(沖縄方言)になる。思えばバックパックひとつで
この島に来たときは文字通り背水の陣、ふりむん以外の何物でもなかった。
あの頃と今ではむろん、状況は異なるし比較してどうこうできるものではない。
そうはいえども僕は、あの頃の向こう見ずな情熱にもう一度火をつけようと思う。
なぜこのように思うかといえば、約半年後に控えた展示に向けての
労力を想像すると心が折れそうなくらい気が遠くなるからである。
これはもうのんべんだらりとはやってられない。富士山も合数が上がると
上るのがキツくなってくる。しかしながらさらなる高みにもってゆくためには
そこを登らなければならない。キツいからと投げ出せばそこには後悔という
二文字しか残らない。8合目まで行って引き返してくるのと9合目も超えて
頂上に辿りつくのとでは、まるで違う。したがって僕は、登る以外に道は無い。
そしてその一歩を踏み出すにあたり何度も、自分を鼓舞する。
登ることは誰でもできる。しかし登りきらなければ意味がない。
140cm×140cmの絵の題材も、気が滅入るほどの内容なのだが、
やり遂げなければ僕は必ず後悔するだろう。
ともかくも、この大きさが搬入できることが確定したんだ。
これはもうやるしかないでしょう。