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2025-03-24

1-3

1-3

幼いころ、どういう流れかきょうだい揃って
父に向かって「将来の夢はなに?!」と
それは天真爛漫に、聞いたことがある。
すると父はすこし困ったような笑みをうかべ、
「平凡であること」と答えた。
それが問いにたいする答えとなっているかは
措いといて、我々は期待はずれのあまり、
ええ~と声をあげてしまったのだが、ひるまずに
もう一度同じことを聞くと、またしてもおなじく
「平凡であること」と答えるのであった。

母は、創造性のひと、であった。
「ひとは、好きなことをやって食べていける
のが、いちばん幸せなことだ。」と何かの
折りには私に言って聞かせるのだ。それを
聞かされて育ったっ言っても過言ではない。

そして大人になって、平凡であることも、
好きなことで食べてゆくことも、いかに
難しいのかを経験し、空をあおぐのだった。

平凡とはなんぞや。
好きなことをして食べてゆくとはなんぞや。
そもそもが、両立するものなのか。
ずいぶんと考え続けてきて、いまの私がいる。

つづく(つづかないかも)

※考えの違いから両親が相克していた
わけでもなく、全体的におおらかな
家であったとおもう。