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2024-09-16

リーフレットの一部より

リーフレットの一部より

伊平屋島の各地をイラスト化
するために現地に赴いたのは
市勢要覧の前だったか後だったか
あまりはっきりとしない。

1日で久高島→沖縄本島→伊平屋島
と移動し、いちにちのうちに2つの
定期船に乗ることもそうそうないこと
だなと思ったものです。

事前に候補としてあげられた、
島の各地をイラストにしてゆくために
現地を巡る。車は村役場が用意して
くれた。

どうしても場所がわからない箇所を、
役場の若い職員と一緒に探したり、
モズク養殖の作業をしているコワそうな
おじさんたちのところに飛び込んで
いったり、民俗資料館で儀式の詳細など
話を聞いたり、
2トントラックを運転しているおばさんを
発見し、発見といっても車ですれ違った
だけだが、それをまた役場のひとに話すと
ああ~いますよいますよ、と。

野甫島で偶然出会った区長さんに、
拝所がびっしりかかれた地図を手に
いったいどれがいちばん大事な拝所ですか?
と問うと、地図を指さしながら、
これも大事だろー、これも大事、これも大事、
みんな大事だよー!
との返答をいただき、自分の質問が愚問で
あることを知る。

そんなこんなしてぐるぐるまわって、
伊平屋島とそれに連なる野甫島の、
デザインめいたイラストに結実するのだ。
僕はこのイラストにとても愛着を持っている。

トラックを運転するおばさん、
おばぁというには早すぎな印象で
むしろ久高の感覚では、ねーさん、
と言うべき、であるのはさておき、
「お年寄りが元気な島!」に対応する
イラストをかかねばならないのに、
巷にお年寄りがいない。
宿の主人いわく、ああ、(お年寄りたちは)
施設に入ってるからねえ、、とのこと
でさて困ったと。そんな状況であった
ので、数あるお題目のなかで、
いちばん難渋したのではないだろうか。