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2024-09-20

人間を小さく描きすぎてしまった

人間を小さく描きすぎてしまった

これも市勢要覧に合わせて描いた
もので、戦後の復興がテーマで
あったと思います。
その象徴として、家を建てる様子を
場面として選びました。

ゆいまーる(共同作業)の雰囲気を
出すには茅葺き屋根のほうがより
適していたかもしれませんが、時代
を考えた結果、セメント瓦の家屋に
しました。

茅葺き屋根とセメント瓦屋根が入り交じる
その遠景に規格住宅を配する架空の集落を
画面に作りだすには様々な角度からの考証と、
自由な発想の両輪が必要ではないでしょうか。

場面場面それぞれ、これまで聞いた話や
調査として聞き取ったもので、地味ながら
内容量としては複数の作品に相当します。

一例をあげるならば古い家によく見られる、
土管のような雨水タンクはガリオア資金
(高等弁務官資金とも言っていた)によって
造られたということ。型枠の作り方から
蓋の作り方までしらべあげて、その箇所が
できています。
他の箇所も、そんな調査の背景があると
思ってください。

茅葺き屋根も、茅のふきかたを
教わってから描いています。

3つの石は、カマドです。

戦後に普及した豚の品種も
調べたと記憶してます。
在来種アグーではなく、ハワイから
寄贈された種であったであろう、
という設定です。絵の中では。

腰の曲がったおばあさんが、
棟上げも
終えて瓦をふきはじめている光景に
なにを思ったでしょうか。